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東北勢が甲子園で優勝できない訳とは?

河北新報に面白い記事が出ています。
できないには、運とは違う理由があると考えた方がいいのかな?
エースが一人というのが一つの理由というのはよくわかります。

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201508/20150825_74012.html

『宮城・仙台育英は第97回全国高校野球選手権大会の決勝で敗れ、東北勢初優勝を逃した。
東北勢は春の選抜大会を含めて11回決勝に進んだが、いずれも敗退し、
優勝旗の「白河越え」を果たせないでいる。なぜ優勝できない? 高校野球に詳しい各界の5人に聞いた。

<正しい練習重ねて/田尾安志さん(61)=東北楽天初代監督>

決勝はどっちに転んでもおかしくない好試合で、勝敗は少しの運の差が出ただけだ。
仙台育英は決勝まで進み、むしろ運があったとも言える。
決勝相手との比較では投手の選手層が薄かったぐらい。
東北の人はこれまで優勝できていないから意識するのかもしれないが、
全国的に見て実力はひけを取らないし、誰も弱小とは思っていない。
高校3年間と言っても競技期間は2年半に満たない。
運を信じ、この限られた期間正しい練習を重ねるしかない。


<最後のピース不足/芳賀崇さん(32)=01年仙台育英選抜準優勝投手>

正直分からない。雪国のハンディは指導者の工夫と練習環境の充実化で克服できた。
私が仙台育英の主戦として決勝に進んだ時は、
対戦相手が関西の高校と聞いただけで気後れしたメンタルの弱さがあったが、それも乗り越えた。
中学野球のレベルも上がり、中学時代に全国大会を経験し、
高校入学時から日本一を目指す選手も増えた。優勝旗が手の届くところにあるのは間違いない。
今年、宮城・村田高の監督となり、最後のピースを探し続ける努力を続ける。


<組み合わせが不運/高橋克彦さん(68)=作家>

東北勢でつぶし合う組み合わせの不運があった。4強に2校が残れば優勝の可能性は十分あった。
東北は6県の強豪校がしのぎを削り、全体的にレベルアップしている。
初戦突破は当たり前。運が良くて勝ち上がった15~20年前とは違う。
他地方は1強2強は出るが、ブロック全体では粒がそろっていない。
震災で東北の選手は「自分たちが頑張れば被災者を勇気づけられる」との思いが強くなり、頼もしい。
近いうちに優勝旗を持ち帰ると確信する。


<優勝未経験で重圧/北村勝朗さん(53)=東北大院教授(スポーツ心理学)>

東北勢は先行を許すとずるずる行く傾向があったが、
仙台育英は決勝で一時追い付き従来にないメンタルの強さを見せた。
準決勝でも観客の多くがスター選手のいる早稲田実業を応援する中、完勝しタフな精神力を示した。
実現可能性の高い自信を「自己効力感」と言うが、これは厳しくて合理的な練習の蓄積が支える。
育英はその点は十分だったと思うが、
優勝未経験のプレッシャーが最後に不安や集中力の欠如を招いた遠因になったかもしれない。


<好投手が3人必要/本間秋彦さん(53)=ローカルタレント>

仙台育英の主戦佐藤世那君は連投で疲れていた。
東海大相模は2人の実力派投手を使い分け、余裕があった。
東北勢もハイレベルでタイプの違う投手を1チーム3人そろえないと難しい。
宮城は全県1学区で戦力が分散した。おらが代表の色は強まったが、真に優勝を狙うチームは出にくい。
軟式野球上がりの選手に対し指導者が
「硬式に慣れるまで時間がかかる」と偏見を持って即戦力として認めず、
結果的に裾野の広がりを損ねている印象も抱く。』
(河北新報2015年08月25日)
by touhoku-syuyukai | 2015-08-25 07:15